TOEキャンプスキット台本DISK1 上
1 さあ、旅立ち!リッド ファラ リッド ファラ リッド ファラ |
「なぁファラ、お前始めっからこうなること解ってたみたいだな?」 「まさか〜、人が空から降ってくるなんて考えた事も無かったよ。」 「そのわりに準備がいいじゃねぇか。僅かな時間で身支度もちゃんとできてるしよぉ。」 「あぁ、そういうことか。確かに準備はしてたよ。 いつかはラシュアンを出る時が来るんじゃないかって、ずっと思ってたからね。」 「ラシュアン出て、どうするつもりだったんだ?」 「えっと・・・そこまで考えてなかった!」 |
リッド ファラ リッド ファラ リッド ファラ リッド |
「ラシュアンの森で爆発したアレ、何だったと思う?空に浮かんでたよな?」 「浮かんでないよ。落ちてきたんじゃない?」 「なんで落ちてきたんだ?」 「重いからでしょ?」 「そっか!」 「そ〜そ。疑問解決、一件落着!」 「・・・そうか?」 |
リッド メルディ リッド ファラ リッド ファラ |
「ん〜・・・」 「バアエティ?(なあに?)」 「褐色の肌、額についているヘンな物体、通じない言葉、か。・・・なるほどな。」 「何かわかったの?」 「いや、全然!」 「早くキールに会わなくちゃ!」 |
ファラ リッド ファラ リッド ファラ リッド |
「ねぇリッド、ほんとにほんとにわたしたち、世界を旅してんだねぇ。」 「世界ィ?ほんのお使いみたいな旅だろ。」 「さあね〜、どうなることやら。」 「ちょっと、おいおいおいおい、キールに任せたら俺たちゃすぐ村に戻るんだろぅ?」 「最後まで責任持たなくちゃダメ!何も判らない子を放り出す気?」 「小さな親切、大きな・・・ぐわぁ!」 |
ファラ ファラ リッド ファラ ファラ |
「ねぇリッド、覚えてる?小さい頃にさ、 リッドとキールと3人で、いつか村を出て冒険しようって約束したよね。世界の何処かに・・・」 「・・・リッド?」 「ZZZ・・・」 「寝ちゃったか。」 「世界の何処かに、わたしが役に立てる場所がきっとあるって、そう思ったんだよ、あの時。 思ってきたんだ、今まで。」 |
リッド メルディ リッド ファラ リッド ファラ リッド |
「おい、そろそろ起きねぇと。」 「ウ エトゥ スイ スイディディヤ!プルンエスン フィディグウヌン トゥン! (ごめんな!ごめんな!いい子になるから許してよぅ!)」 「ちょ、ちょっと待てって。んな、いきなり抱きつかれても、おぃ寝ぼけてんのか?」 「ん、掌底破!!」 「ぎゃあ!」 「あっら〜、ごめ〜ん寝ぼけちゃった〜。」 「起きてたろ。お前、ぜって〜起きてたろ!!」 |
メルディ ファラ リッド ファラ リッド ファラ リッド |
「ワイール!」 「この光、なんでリッドと触れたときにしか出ないんだろう?」 「気が合うもの同士じゃねぇと出ねぇんだよ、きっと。」 「リッド鼻の下伸びてるよ?」 「う、そんなワケねぇだろ!」 「冗談、冗談。」 「はぁ・・・負けた。」 |
ファラ メルディ ファラ メルディ |
「ラシュアン染めって王都インフェリアでも結構人気あったね。なんか誇らしいな。」 「ファラがスカート、メルディがスカート、ぜんぶ、ラシュアン染めか?」 「うん!そだよ。 私のはラシュアンにあるプーチの花で染めたんだけど、 ドエニスの花を使う方が、今じゃ有名だね。」 「ドエ・・・ニス?どんな花なんかな?」 |
ファラ リッド ファラ リッド メルディ リッド メルディ |
「リッド、洗濯物あったら出しといてね。明日の朝ついでに洗ってあげる。」 「うぁ、ぃいいって。」 「ちっともよくないよ。何日同じパンツはいてんの?」 「顔色も変えずに言うかぁ?可愛げないなぁ。」 「ぱん・・・つ?」 「あ〜もう!へんな言葉だけ覚えるな!」 「フフッ、ぱんつぅ、ぱんつぱ〜んつぅ!」 |
リッド ファラ リッド ファラ リッド ファラ リッド |
「腹でも痛いんじゃねぇのかな、さっきから難しい顔してるぜ?」 「ここはわたしに任せて。きっと好ききらいがあるんだよ。昔キールもよくこんな顔してた。」 「あ〜あ、そういやいろんなもん無理に食わして泣かしてたよな〜。」 「人聞き悪いな。私はキールの好ききらいを直そうと思って・・・」 「そういうの、おせっかいって言うんだよ。」 「何よ!好ききらいのないほうが幸せが増えるって言うじゃない。」 「俺好ききらいないけど、腹減ってばかりであんまり幸せじゃねぇぞ。」 |
ファラ リッド ファラ リッド |
「じゃあ、いくよ!♪ラララ・・・あはっ、うまいうまい。ステキなダンスだね。」 「ほんと。よくそんなに踊れるなぁ。へへっ、じゃ次は俺が歌おっかなぁ。 ♪(?)る〜るるるぅ、ん〜る〜は、ほ、ほ、ほっ、ほぉう! ・・・おい、ど〜した踊らね〜のか?」 「何それ〜?メルディは音楽にしか反応しないよ。」 「・・・むごい。」 |
ファラ リッド ファラ リッド ファラ リッド |
「リッド、見て。星がきれいだよ。手を伸ばしたら届きそう。 星を見ながら眠るなんて、あの時以来だね。」 「あの時?」 「ほら、小さい頃一度、リッドとキールとわたしで、 夜にこっそり家を抜け出して見晴らし台まで行ったことあったじゃない。」 「あ〜あ、おびえたキールが泣き出して結局バレたときのことか。 俺がみんなを代表してこってり怒られた時のことなぁ。」 「あれ、そうだっけ?私は怒られなかった?」 「ファラはな、見晴らし台着いて5分もしねぇうちに寝ちまって、 怒鳴られてもたたかれても起きなかったんだよ。」 |
リッド ファラ リッド ファラ リッド |
「なんか最近楽しそうだな。」 「そう?人の役に立ってるからかな。」 「おんなじぐらい迷惑もかけてるけどな。」 「なんでよ〜。どこが迷惑だって言うの?」 「イケる、イケるとか先頭立って、三時間も道に迷ったの、何処のどいつだよ。」 |
ファラ リッド ファラ リッド ファラ リッド |
「よっ!はぁっ!たぁっ!」 「熱心だな。道場の修業って、そんな感じなのか?」 「ううん、もっとキツいよ。 道場の周り100周、ラシュアン大河50往復、それから腕立て伏せ200回・・・」 「修行ってそんな大変なのか?」 「今言ったのは全部準備体操。修行はね・・・」 「あ〜もういいぜ。聞くだけで疲れた。」 |
ファラ リッド ファラ リッド ファラ リッド ファラ リッド |
「ふっ!はっ!たぁっ!」 「毎晩頑張るなぁ。」 「・・・はぁっ。リッドも剣の素振りくらいしといたら?」 「あぁ、俺はい〜のい〜の。気張ると余計体動かなくなるし。」 「ずるいなぁ。何もしないのにわたしより全然強くってさぁ。ほんと、ずるい!」 「うわぁ!」 「わたし絶対リッドより強くなってやるんだから!」 「十分強いって。」 |
ファラ リッド ファラ リッド ファラ リッド ファラ |
「ねぇリッド、道場に通う気はないの?せっかくフランコ師範が認めてくれたんだし。」 「通わねぇよ。俺はその日ぶんの獲物が・・・」 「取れれば十分。って言うんでしょ。解ってる。 でも、なんかもったいないな。リッドならきっと剣で身を立てて・・・」 「ほっとけよ。俺の勝手だ!」 「うらやましいんだよ。わたし、一生懸命道場通ったけど、結局リッドにかなわないんだもん。」 「俺だってうらやましいぜ。 どんなに練習したって、ファラみたいにうまいオムレツは作れね〜からな。」 「オムレツねぇ。」 |
リッド ファラ クィッキー メルディ リッド |
「なぁ、宮廷晶霊術師って、何だ?」 「晶霊術師の中でも特に優秀な人のことでしょ。 王様のおかかえとなって王都インフェリアで暮らすんだよ。すごいよねぇ。」 「クキィキー、キュィー!」 「フフッ、クィッキー、ウティ ウス プイウムティルンスス ティイ ディオム エバイヤ (逃げてもダメだよぅ。)」 「あいつは絶対違うな。」 |
ファラ リッド ファラ リッド ファラ リッド |
「あの人たち、ちゃんと食べてるのかな?」 「はぁ?誰のこと言ってんだ?」 「ほら、さっきの大学生たちだよ。みんなひょろひょろしてたじゃない。」 「あ〜あ、血色悪かったよな。」 「勉強に没頭すると、ご飯も忘れちゃうのかな?・・・リッドに聞いてもわかんないか。」 「悪かったな。」 |
ファラ リッド ファラ リッド ファラ リッド ファラ |
「あ〜キールに早く会いたいなぁ。ちゃんと大きくなってるかな?みんなに泣かされてないかな?」 「学部長まで敵に回すつわものらしいじゃねぇか。心配要らないって。」 「わたしにとって、キールは弟みたいなもんだもん。心配だよ。」 「あのなぁ、同い年の男を弟って言い切るなよな。俺だったら傷つくぞ。」 「そう?まっ、リッドは弟じゃないけどね。」 「そ、そうか?」 「うん!弟ほど可愛げないもん。」 |
ファラ リッド キール 一同 |
「ねぇ、こんなときアレがあるといいのにね。」 「あ〜あ、アレか!そうだな。小さい岩くらいなら砕けそうだ。」 「なるほど、アレがあったか!・・・で、何て名前だったっけな?」 「何だっけ? |
ファラ キール メルディ キール リッド |
「ねぇねぇ、セレスティア人って、引き潮の晩に角が生えるんでしょ? そのせいで狂暴になっっちゃうのかな?こんな可愛いのにね。」 「そんなの、何の根拠もない迷信だ。 だいたい、額に妙な石がついているとはいえ、こいつの生体は僕たちに酷似しすぎている。 とてもセレスティア人だとは信じられないな。」 「ヤイオ スンントゥ ティイ アエヌン エ グディンエティ (キール、とてもたくさんがこと知ってるみたいな。)」 「きゅ、急に近づくな!」 「いちばんビビってんのはお前じゃねぇのか?」 |
リッド クィッキー ファラ リッド クィッキー リッド ファラ |
「セレスティア人が野蛮なら、こいつも相当凶暴ってことになるよなぁ。」 「クィー、グゥー・・・」 「クイッキーが嫌がってるみたい。そっとしておいてあげなよ。」 「何食って生きてんだろな。舌が長いな〜。ここ引っ張ると・・・?」 「キー、キークィッキ、クキー!」 「だ、ぎゃ、いて〜、食われたあ〜!」 「なわけないでしょ・・・。」 |
リッド キール メルディ ファラ リッド キール |
「腹減ったな〜。」 「ファラ、頼むよ。」 「ウ バエムティ ティイ アンルプ ヤイオ!(メルディも手伝いたいよぅ!)」 「何って言ってんだろ?」 「おいしい物がたくさん食べたいです。」 「それはお前の気持ちだろ!」 |
リッド キール リッド キール メルディ |
「で、どうなんだ?大学で彼女はできたか?」 「う、ゴホッ、ゴホッ、バ、バカ! 大学は勉学にいそしむ場であって、そんなみだらな行為は断じて!」 「みだらって、お前、何想像してんだよ。」 「ぼ、ぼ、僕は何も!」 「キールみだら〜。」 |
ファラ キール ファラ キール |
「大雨とか大地震とかの天変地異は、すべてセレスティア人のせいってほんと?」 「明確な証拠はない。 だが、セレスティア人が僕達の世界に何らかの方法で悪影響を与えていると仮定すれば、 多くの点で説明がつくんだ。」 「わかんないな。実際にメルディ見てるとわかんなくなってくるんだよ。 どうしても、悪い種族には見えないの。」 「本当に狡猾な奴は簡単にはしっぽを出さないだろう。くれぐれも注意しろよ。」 |
ファラ キール ファラ キール ファラ キール |
「キール、ご飯食べるときくらい、本読むのやめれば?」 「僕は、非生産的な会話には、参加しない主義でね。」 「生産性の問題じゃないの!ちゃんと皆の顔見てご飯を食べなさいってこと。」 「お、脅したって無駄だぞ!僕は論理にしか従わない。たとえファラが、何と言おうと・・・」 「キールぅ?」 「・・・はい。」 |
ファラ キール リッド キール リッド |
「大学の入学試験って、すっごく難しいんでしょ。頑張ったね、キール。」 「まだ過去形じゃない。大学なんて、僕にとっては最終目標までの足がかりにすぎないんだからな。」 「最終目標?フフッ、何だよそれ?」 「インフェリアの最高学府である、王立天文台で働くことさ。 決して叶わぬ夢ではないが、途方もない努力と実績が必要なんだ。」 「働くことが目標なんて、お前変わってんな〜。」 |
ファラ リッド ファラ リッド |
「はぁ、キールがもうちょっとメルディに優しく接してくれたらなぁ・・・。」 「そいつは無理だ。あいつの頭ん中は、メルディに対する疑いでいっぱいだからな。」 「ったく、仲間を疑うなんて、酷いよ。」 「そうとも言い切れね〜だろ?俺たちゃまだ、あの子のことを知らなさすぎる。」 |
リッド ファラ リッド ファラ リッド |
「どうした、まだ寝ないのか?修行もしてねぇみたいだし。」 「なんか、今日は気分がね。」 「へ〜、めずらしいな。ファラが考え事なんて、風車が止まっちまうよ。・・・で、どうした?」 「うん、ちょっと嫌な事思い出しちゃって。でも大丈夫。私は、元気元気! さ、そろそろ寝よっかな。」 「なんなんだよ、一体?」 |
キール ファラ キール リッド キール ファラ キール |
「ファラ、僕はもう絶えられない!」 「何が?」 「メルディだよ。あいつの食事作法だ! ひじをついて食べるわ、動物と同じ皿から食べるわ、ボロボロこぼすわ、 スプーンを振り回すわ、最悪だ!何もかも野蛮すぎる!」 「ズズズ〜〜〜・・・」 「そう!中でも最悪なのはこれだ!音をたててスープをすするなんて、 地域による習慣の違いなどという説明では到底・・・」 「今のはリッドだよ。」 「もう・・・いやだぁ。」 |
リッド キール リッド キール リッド |
「キール、いつも難しいことばっかり言ってねぇで、たまには笑い話のひとつもできねぇのか?」 「できるさ。笑いだって科学の範疇だ。昔、ミンツ大学の校門前に、いつも白い犬がすわっていた。 ある教授の飼い犬でね。教授が講義を終えて出てくるのを待つのが、その犬の日課だった。 ある日、教授が死んだ。だが白い犬は『死』というものが理解できなかったんだろうが、 大学に来れば、また教授と会えると信じて、雨の日も、風の日も校門の前で待ち続けたんだ。 自分が死ぬまでね。」 「ひっく、うぐっ・・・。」 「リッド、どうかしたか?」 「ひっく、ひっく、どこが笑い話なんだよぉ。うぐっ、うわ〜ん・・・。」 |
ファラ キール リッド キール リッド キール ファラ |
「キール、魚きらいなの?」 「きらいじゃないさ。」 「食わねぇんなら俺が・・・」 「食べないなんて、一言も言ってないだろ!」 「じゃあなんでのこしてんだよ?」 「骨を、取ってくれれば食べられるさ。」 「大事に育てられたんだねぇ。」 |
ファラ リッド キール リッド |
「こんなとき、アレがあるといいのにね。」 「あぁ、アレか。アレがありゃなぁ。ほそ〜いすき間にものが落ちても平気なのになぁ。 ・・・で、キール、アレの名前って・・・」 「僕に聞くなよ!それくらい自分で思い出せ!」 「なんだよ、自分だって思い出せね〜んじゃね〜か!」 |
メルディ ファラ リッド メルディ ファラ キール |
「リッド、なんかお話ないか?」 「聞くだけ無駄だよ。リッドは情緒的なこと苦手だもん。ね?」 「ムッ・・・昔々、あるところにそそっかしい女の子がいました。 木に登って降りられなくなった友達を助けるために自分も登り、 案の定、二人して降りられなくなりましたとさ。」 「ウフフッ、ハハッ、そそっかしぃ娘だな。」 「それ、わたし。」 「最初に降りられなくなったのが、僕だ・・・。」 |
リッド ファラ リッド ファラ |
「あ、うまそうなモン持ってどこ行くんだよ?」 「キールんトコ、論文をまとめなおしてるらしいんだ。頑張る人に、夜食の差し入れだよ。」 「俺の分は?」 「リッドはもう寝るだけでしょ。寝る前に食べると太るよ。」 |
リッド ファラ メルディ リッド ファラ |
「キールぅ起きろよ。寝坊かぁ?」 「し〜、寝かせといてあげて。」 「キール朝寝た。頑張った。メルディ知ってるよぅ。」 「そうか。じゃキールの奴.・・・の朝飯は?余ってんだろ!俺、食ってやろうか?」 「結構です!」 |
メルディ ファラ リッド キール リッド メルディ キール |
「みんなが首に付いてるの、なにか?」 「チョーカーだよ。インフェリア人はみんな、チョーカーで身分をあらわしてるんだ。」 「俺の寄木は平民男子のしるし。ファラの赤いリボンは平民女子。」 「僕は、学者をあらわす白い木のチョーカーだ。」 「どうだ?誰が何者だか、すぐに判って便利だろ。」 「ヘンなの。そんなの怖いよ。」 「ま、感覚のズレてる奴には理解できないのかもしれんな。」 |
ファラ メルディ ファラ キール ファラ リッド |
「なぞなぞいくよ〜。パンはパンでも、食べられないパンはな〜んだ?。」 「答えはなにか?」 「すぐ言っちゃったら面白くないでしょ。」 「ヒントはないのか?」 「そうだな・・・そのパンを使って戦う少女の話を聞いたことがあるよ。 さあ、しっかり考えよう!」 「武器になるパンなんて、食いたくねぇな。」 |
ファラ リッド メルディ キール メルディ キール ファラ |
「パンはパンでも食べられないパンがなんだか解った?」 「降参だ。」 「はいな!メルディ解る。答えは、はんぺん!」 「なに聞いてんだ。パンだと言ってるだろう。」 「じゃあ・・・はん、ぱん?」 「そんなものはない。仕方がないな。僕が正解を言ってやろう。 答えは、まずいパンだろう。素人の作ったパンはとても食には耐えないからな。」 「残念ながらハズレ!答えはフライパンでした!・・・簡単だと思ったんだけどな。」 |
メルディ クィッキー ファラ キール メルディ キール ファラ |
「♪エス ティアン ディウヌンディ フルイバス、バアンディン ドゥインス (ウティ グイ?)(河はどこへ流れて行くの?)」 「クキキィー・・・。」 「あ、キール。さてはメルディの歌声につられてやって来たんでしょ。」 「だ、誰がこんな音痴につられるものか!」 「ハズカシィな。おそまつさまぁ。」 「な、なんだ、もう終わりか?まだ曲の途中だろ? 最後まで聞かないと・・・気になるじゃないか.」 「ほんと、素直じゃないんだから.」 |
キール リッド ファラ メルディ キール ファラ リッド |
「リッド、お前の食事作法はサルなみだな。」 「ほっとけ。」 「あんまり食べ方が汚いと、女の子からモテないよ。」 「メルディ、リッドの食べ方大丈夫よ。リッド、メルディからモテモテ〜。」 「サルにはサルが、お似合いだ。」 「ごちそうさま!」 「なんでこうなるんだよ!」 |
メルディ キール ファラ キール |
「メルディのクレーメルケイジ、セレスティアの。緑の結晶。ずっと動かない。 キールのクレーメルケイジ、インフェリアの。赤の結晶。ゆらゆら動くね。」 「確かにそうだな。メルディのクレーメルケイジにも、同じような晶霊石が入っているが、 内部構造は違っているようだ。 いや、まてよ・・・この構造は、以前どこかで見たような・・・。」 「は〜い、そこまで。出発するよ〜。ほら早く。わすれものはない?」 「ちょ、ちょっと待って!もう少しで思いつきそうなんだ〜!」 |
リッド ファラ メルディ リッド メルディ リッド メルディ |
「ファラ、それよこせ。食ってやるよ。」 「うん。ありがと。」 「なぁにぃ?どうしたか?」 「ファラって昔っから、これだけは食べれねぇんだ。」 「ふぅん、リッドがファラのこと、なんでも知ってるなぁ。」 「あ、幼なじみだから、これぐらいは、嫌でも解ってくるんだよ!」 「ふぅ〜ん、メルディが、幼なじみになりたいよ。」 |
ファラ キール ファラ キール メルディ |
「グランドフォールってそもそも何が原因なのかなぁ。」 「インフェリアとセレスティアの間にある晶霊が生み出している圧力は、 安定しているように見えて、実は一様ではない。この偏りが長い時間蓄積されてしまうと、 あるときを境に劇的に圧力が減少してしまうことが有り得るんだ。」 「つまり、自然現象ってこと?」 「ま、まあ、平たく言えば、そうなる。」 「自然現象・・・そぅかな?」 |
三人 キール メルディ リッド ファラ キール 三人 |
「いっただっきま〜す!」 「すまない、食うのをやめてくれないか?すぐ代わりの食事を用意する。」 「え、なんだよぅ?」 「どこが不満なんだ?」 「すっごく美味しいよ?」 「何も解ってないな。パンヤ麺は表面の柔らかさと芯の固さの微妙なバランスが命なんだ. こんな不抜けた食感を潔しとしたら、 数百年にわたって連綿と調理法を研究し続けてきた人々に失礼だろうが。」 「ごちそ〜さま〜!」 |
キール メルディ キール メルディ キール メルディ |
「メルディ、お前のクレーメルケイジに使われている金属は、遺跡から発掘されたものか?」 「わかんないな〜。でも、同じようなものセレスティアでいっぱい造ってるよ。」 「馬鹿言うな。セレスティアごときに、金属を加工する技術など、あるわけがないだろう。」 「ほんとだもの。金属だけじゃないよ。機械だってたくさんあるもん。」 「フッ、僕が悪かったようだ。金属の何たるかを知らないような奴に質問しても無意味だよな。」 「メルディがほんと言ったら、ほんとだよぅ!」 |
メルディ ファラ リッド メルディ ファラ リッド キール |
「ヒック、フ〜、美味しいものがたべて、ご機嫌でっしゃ〜。ふふっ。」 「メルディ、酔ってるの?」 「どこで酒なんか飲んだ?」 「酒?さぁけなんて飲んでませ〜ん。 メルディが、ちっさくって黒くって丸いドロップなめただけよ〜。」 「ドロップ?」 「なぁ、俺の腹痛の薬知らね〜か?オーロックスの肝臓を煎じたやつなんだけどよぅ。」 「メ、メルディ、まさか・・・?」 |
メルディ ファラ メルディ ファラ メルディ ファラ メルディ |
「幼なじみって、なにか?」 「そうね〜。生まれたときから、ずっと一緒に育ってきた友達のことかな。」 「へ〜、いつも一緒の友達いたら、寂しくないな。」 「そうだね。 でも、ずっと一緒なだけに、ちょっとずつズレて、離れていくのが解ったりもするんだよね.」 「んなぁ、ちょっと、お願いはあるよ。メルディも、幼なじみにしてくれるか?」 「フフッ、もちろんだよ。」 「ワイール!ありがとな!」 |
メルディ クィッキー メルディ リッド メルディ リッド |
「だめだな〜。クィッキー。これじゃだめだな〜。」 「クッキュー、キュッキクー。」 「あぁ、リッド!聞く事あるよ。ボタンって、どうやって付けるのか?」 「えぇ?俺も裁縫は苦手だからよぉ。」 「ノリじゃ付けられないか?溶かして付けるのか?」 「裁縫以前の問題だな.」 |
メルディ ファラ リッド ファラ |
「ワイール!ボタン付けしたい〜。ど〜やって付ければよいか?」 「ボタン付けぇ?簡単だよ。い〜い?ここをぐっとして、この後ろからギッギッギッとして、 ぐるぐるぅ〜っと巻きつけるの。まあ、こんくらいやれば・・・ほらね、あっという間でしょ?」 「そんな適当な付け方、ありか?」 「なによ!ボタンなんてしっかり付いてればそれでい〜の!」 |
キール リッド キール メルディ |
「メルディ、ボタンの付け方を知りたいらしいな。」 「おっ、いいところに来た.クレーメルケイジの入れ物まで手作りされるキールさんなら、 ボタン付けなんて朝飯前だろ?」 「まぁな。ボタンを付ける為の手順は、大まかに15の段階に分けられる。 だが、最初の段階に進む前に、適切な道具を選ぶことから始めなければならないことは、 他の如何なる作業とも同様だ。まず、針の選び方だが・・・」 「いつになったらボタン付けられるか〜?」 |
ファラ メルディ キール メルディ |
「ねぇメルディ、セレスティアの料理ってどんな感じなの?インフェリアと似てる?」 「ううん、違うよ。セレスティア料理は、とっても美味しい。 そのうち、メルディ作るよ。たのしみにしててな。」 「はん、お前が料理を作れるとは思えないな。 第一、料理なんて概念が、セレスティアにあるのかどうかもあやしいもんだ。」 「メルディ上手だよぅ。・・・たぶんな。」 |
メルディ キール メルディ キール メルディ |
「キール、なにしてるか?」 「ん、ズボンの膝に穴が開いたから、繕ってるんだ。」 「すごいな〜。キールは器用〜。フフッ、メルディの服も、穴開きるよ。直してくれるか?」 「やだね。僕がそれをすることによって、どんな利益があるって言うんだ? 無益な労働は時間と体力の労費だ。」 「キールはケチィ!」 |